アジアにおけるサーキュラーエコノミー革命への挑戦
アジアにおけるプラスチック廃棄物管理の最適化に向けて
毎年、約800万トンのプラスチック廃棄物が世界中の海に流入しています。これは、世界中の海岸線の隅々までゴミ袋5つ分も積み上ります。海洋プラスチックの60%は、アジアの5ヵ国における不適切な廃棄物管理によるものと推測されています。このため、これらの国の陸上でのプラスチック廃棄物管理を最適化することが、この危機を乗り越える大きな一歩であると、さまざまな方面のリーダーが認識を共有しています。しかしながら、この問題の核心を探っていくと、ある重要な要素が欠落していることに気づきます。それは、「データ」です。
南アジアおよび東南アジアにおいては、プラスチック生産と廃棄物管理に関するデータが足りていないだけでなく、データの一貫性もなく、整合もされていないため数値だけみても信憑性にかけるという状態です。この理由として、この地域の複雑なプラスチックのバリューチェーンが断片化されており、非公式経済に依存しているためと推測されています。その結果、データの可視性と透明性が制限されてしまい、プラスチックの生産や消費、廃棄の流れを効果的に追跡、監視、予測、最適化して、海洋への廃棄物流出を減らすことができなくなっています。しかし、他の複雑なシステムに適用されているテクノロジー、モデルケース、データサイエンスをプラスチック廃棄物管理に活用すれば、アジアのサーキュラーエコノミーに革命をもたらすことができるかもしれません。
このチャレンジプログラムでは、世界中の研究機関、スタートアップ、その他の企業、およびデータサイエンティストを招いて、南アジアから東南アジアのプラスチック廃棄物管理およびリサイクルバリューチェーン全体に適用できる、高度なソリューションを開発しようとしています。具体的なテーマや解決したい課題については以下の3つです。
- 廃棄プラスチックの発生源と廃棄フローの見える化
- プラスチックに関わるサプライチェーンの改善と持続可能性の向上
- 廃棄プラスチックの海洋流出の特定と防止
Plastic Data ChallengeはThe Circulate InitiativeによるThe Incubation Networkという海洋プラ問題解決のために立ち上げられたプログラムのもと実施されており、彼らはアントレプレナーやビジネスモデル、イノベーティブな技術を発展、推進することで、循環型経済を作っています。この計画は新しいビジネスモデルや先進的な技術を東南アジアの海洋プラスチック問題解決に繋げ、拡大していくことを目的に立ち上げられました。The Circulate Initiativeは、東南アジア横断で、投資家、イノベーター、市民社会組織、政府のリーダーを繋ぐネットワークを創り、廃棄物管理や循環型経済のための投資、イノベーション、パートナーシップをドライブするプログラムをデザインし実行しています。
Agorizeは、先進的なオープンイノベーションプロバイダーとして、多様で協調的なグローバルコミュニティを構築し、さまざまなセクターにおける世界トップクラスの専門家、起業家、パートナー、スタートアップ、メンター、企業リーダーを集め、廃棄物管理におけるデータギャップについての認識を高め、イノベーターがこうした課題に取り組むための場を提供したいと考えています。
Challengeページを見る(英語の外部リンク)
https://www.agorize.com/plastics-data-challenge
Agorizeは2011年フランス発、オープンイノベーションとタレントエンゲージメントに特化したグローバルクラウドシステムを提供するスタートアップ企業です。独自のSaaS型マネジメントシステム提供と世界500万以上のイノベーターネットワーク連携を通じて、これまで300以上の世界中の企業・行政・組織のオープンイノベーションチャレンジやハッカソンなどの取り組みを支援しています。
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